第3回中学生のための演劇講習会レポート
投稿者: Chugeki 掲載日: 2008-8-6 (1701 回閲覧)
第3回中学生のための演劇講習会レポート (文責・研究局 重盛)
【1】 講習テーマ
2007年7月30日(月)、都中劇研初の試みとして、「中学生のための演劇講習会」が実施された。第1回目という事で基礎的な内容に絞って行ったが、特に3年生から、より上演に近い形での講習に対する希望の声が上がった。
そこで、2008年3月に、第2回の講習会として、志野英乃さんの「Hellow,myfriend」の一部を取り出して、3人の講師がそれぞれの持ち味で、基礎、読み合わせ、立ち稽古を担当する3部立てで講習を行った。
参加者からは一定の評価を頂いたが、運営側としては3時間という短い時間に多くの事を盛り込みすぎたせいで、意図が充分伝えられず、消化不良な状態だった。
そこで今回は、同じ内容で、講師はこの作品で今年の全国大会に参加する安藤俊弥さんに絞り、時間も増やして一日講習とする事にした。いわば、3月のリベンジ企画である。
テーマは、「自分たちで作り上げる演劇」。なかなか顧問の先生が練習に顔を出せない現状の中で、自分たちで練習を進めてゆくためのヒントになる内容を目指した。
【2】 コミュニケーション
講習会を重ねるうちに見えてきたのは、演劇部に参加する生徒の変化である。明るくて押し出しが良く、目立つ事が好きといった私達がイメージする以前の演劇部員は、もちろん今もいないわけではないが、それよりもどちらかというと人見知りで、普段は口数も少ないような生徒が増えてきているように感じる。
もちろん、個人的な事もあるが、演劇部だけに限らず、中学生を見ていると非常に狭い人間関係の中で生活していて、多くの人とコミュニケーションを取ったり、共同で作業する事が、極端に減っているような気がする。
また、今回は86名の生徒の参加があったが、参加部数は15にのぼる。つまり、平均して一部6人弱である。演劇部自体が、非常に少ない人数の中で活動しているのである。
しかし、だからこそ、逆に演劇によるコミュニケーション能力の向上や、このような大勢が集まるワークショップは、意義と可能性があるといえる。
講習予定は、午前中が10:00〜12:00で、30分ほどコミュニケーションを兼ねた基礎練習を行い、その後、1時間半読み合わせ練習。
午後は13:00〜16:00まで、立ち稽古の練習という形で考えていた。
しかし、出だしは思った以上に重かった。まず、会場に入ってくる時に「おはようございます。」と声をかけて入ってくる生徒がほとんどいない。開始時間になって、集まるように指示をしても、半数以上が座り込んだまま動こうとしない。さらに、私が説明を始めても下を向いて顔を上げようとしない生徒があちこちにいる。
一瞬迷ったが、今日は講師ではない。憎まれ役でも構わない。
「顔を上げなさい!」
それから3つのことを話(説教?)した。
* 普段は人見知りでも、講習会に参加した瞬間から、自分から積極的に働きかけるように努力する事。
* なるべく自分以外の学校の生徒と組んで練習する事。一人でも多くの人とコミュニケーションする事。
* 時間を無駄にしないように、指示で素早く動く事。
その後、コの字型に並び直して各学校ごとに代表に挨拶して貰い、講師に譲った。
安藤さんの第1声。
「午前中は、とにかく、みんなと仲良くなって下さい。」
特に、話し合ったわけではないが、思う事は同じだったようだ。
1.だるまさんが転んだ
初めは、全体を2つに分けて「だるまさんが転んだ」をやった。止まった時にただ、止まるのではなく、色々なポーズを取るようにする。これは、以前、私の部でも部員達が好んでやったゲーム。全体の空気が一気に盛り上がった。
2.グループ作り
好きな季節、自分の血液型などで、自分たちで仲間を探させてグループを作る。グループが出来たら、そこから整列ゲームに移る。どれも、自分から声を出して働きかけなければならないゲームだ。
3.円を作る
次に全員で大きな輪を作り、その輪を、2つ、4つ、8つと次々に分けていく。これで、86人の参加者が約10人ずつに分かれた。これは、この後の読み合わせや立ち稽古の基本単位になる。(キャスト5人の2グループ分)なかなか、見事だった。
4.ナンバーコール
出来上がった8つのグループごとにナンバーコールというワークを行う。これは、約束事なしに、好きな順に1から番号をいっていく。二人以上が同時に発声したらやり直しである。その後、1人、2人、3人、4人と一人ずつ人数を増やしながら同時に動くというバリエーションも行った。(きれいな)円作りもナンバーコールも、どちらも、声を出さない約束なので、お互いを観察し、協力しなければならない。
どれも、目的がハッキリしていて、今日の参加者にふさわしい選択だったように思う。また、結局、予定を大幅に超えて、コミュニケーションのワークを1時間半以上行ったが、グループ作りでかなり動き出しが鈍かったので、ここに時間をかける必要性を感じたようだ。
【3】 読み合わせ
午前中の最後、40分ほどかけて、読み合わせを行った。今日の練習で使用するのは、この物語のポイントとなる3場の文化祭で発表する前後の気持ちのすれ違いと仲違いのシーン。始めに、このシーンに至る1,2場をダイジェストで紹介して脚本の流れを理解させた上で、各グループで輪を作って取り組ませた。
最初は、あまり感情を込めず、棒読みで脚本を理解する事に集中するように指示があった。私の部では、今まで最初から気持ちを込めて読み合わせをしていたので、最初に冷静に読み合わせをする方法論は、表現の多様性を引き出す意味で面白い試みだと思った。
2回目以降は、各グループ10人以上いるので、それぞれのキャストを2人(以上)ずつ決め、A,Bチームに分けて交代で読み合わせをした。読む時は椅子の後ろに立つように指示していた。
途中で、「Hellow,myfriend」を上演した中野区立中央中の部員がラストの5場を朗読した。読みながら、キャストが感情がこみ上げて涙ぐむ熱演だった。そして、 「このラストシーンを生かすために、3場の仲違いのシーンをしっかり作る事が大切だ。」と説明した。
私が、3月に読み合わせを担当した時には、3場につながる1,2場を説明する事は丁寧にやったが、3場の段階でまだ起こっていない後半は簡単にしか触れなかった。脚本全体の理解とそれに基づく各場面の構成という演出の部分で、大変勉強になった。
午前中は、予定より30分押して12:30に終了した。ここで、安藤さんから指示が出た。
「お弁当は、今のグループで食べて下さい。」
この指示をみなさんはどう思われるだろうか。「お昼ぐらい、自由にしても。」と言う意見も当然あるだろうし、逆に、自分たちで他の学校と自由に新しいグループを作って食事をするチャンスを奪ってしまったかも知れない。しかし、現場で見ていたものとして、少なくとも、この日のこの参加者にはプラスだったように思う。
【4】 立ち稽古
午後の講習は、30分ずらして13:30開始。始めに松任谷由実の「Hello, my friend」をみんなで聴く。私達には耳慣れた曲だが、参加者の中には始めて聴く生徒も沢山いた。きっとイメージが広がっただろう。
いよいよ、立ち稽古に入る。各グループに1.5mほどの柱を渡して、アクティングエリアのしきりにさせた。8グループが体育館全体に広がっているので、多少手狭だが、上下(かみしも)以外にドンライン(緞帳の上がり下がりする位置)も決めるように指示した後、立ち稽古の約束を決めた。
「絶対に相手チームの演技を否定しない事。Aチームの良いところはBチームも取り入れて、Aチームの良くないと思う演技は、言葉でダメ出ししないで、自分たちが違う演技をして見せる事。」
「とにかく、あまり考え込まないで、うまくいかないと思ったら、何でもいいから違う演技をしてみる事。とにかく、変えない事には良くなっていかない。」
勇気を持って失敗をおそれず挑戦すること。確かにシュートは打たなきゃ入らない。
その後、安藤さんは各グループをまわり、精力的に指導していた。しかし、具体的に演技の仕方を指定する事はない。その場面の状況や、登場人物の気持ちを説明しながら、自分で考えて色々やってみるように導いていた。
しかし、これは普段ダメ出しをし合っている参加者やまわりで見学している顧問には非常に難しく、あちこちで否定的な発言や、なかなか良くならない演技に、つい、具体的なアドバイスをしてしまう顧問がいて、途中で練習を止め、、最初の指示を繰り返さなければならなかった。
最後に、8グループ16チームの中から、3チーム抜き出して、舞台上で演技をさせて評価をし、まとめの話をして講習は終了した。まとめの話の中で、「先生にいわれて、良く意味もわからず、ただ、その通り演技しているだけでは演劇をやる意味がない。自分達で考えて、自分達で工夫してやる事が大切だ。」と強調していた。
【5】 意見交換
講習の後、1時間半ほど、顧問だけの意見交換の時間を取った。生徒を引率して帰らなければならない顧問が多く、6名だけの参加であったが、各部の様子や基礎練習のやり方や、安藤さんが行っている普段の練習の紹介、人形立てや布張りのパネルなどの基本的な装置の作り方等、多岐にわたる話題で盛り上がり、大変参考になった。
【6】 まとめ
講習会のアンケートは、参加者86名中73人から回答があった。
わかりやすく点数化すると(※)
*面白かったかは、3点満点で2.8
*役に立ったかは、3点満点で2.7
学年別に見ると、
*1年生 面:2.8 役:2.8
*2年生 面:2.7 役:2.6
*1年生 面:2.8 役:2.9
で、各学年ほぼ同じだが、3年生の評価が若干高く、3年生にも納得して貰える内容という点で、成果があったように思う。
また、自由記述欄には、「他の学校の人と仲良くなった。」「交流できて良かった。」という意見が27名あった。「昼食は友達と食べたい。」が2名、「グループは自分の学校で組みたい。」が1名いたが、全体として、コミュニケーションの機会としても有益だったようだ。
何より、開会と比べて閉会の時には、みんな顔を上げて話を聞いてくれていたし、朝とうって変わって、帰りには「さようなら!」「ありがとうございました!」と満面の笑顔で挨拶してくれる参加者が、実感として今回の講習会の意義を感じさせてくれた。
今後も、さらに工夫してより良い講習会を提供していきたいと思います。これからもよろしくお願いします。ご意見等あれば、是非、お知らせ下さい。
(※) アンケートでは、面白かったか、役に立ったかを、それぞれ以下の3つから選択する形式で回答を求めました。
*面白かった・少し面白かった・あまり面白くなかった
*役に立った・少し役に立った・あまり役に立たなかった
これらを、左から3点、2点、1点として点数化して平均を求めました。
【1】 講習テーマ
2007年7月30日(月)、都中劇研初の試みとして、「中学生のための演劇講習会」が実施された。第1回目という事で基礎的な内容に絞って行ったが、特に3年生から、より上演に近い形での講習に対する希望の声が上がった。
そこで、2008年3月に、第2回の講習会として、志野英乃さんの「Hellow,myfriend」の一部を取り出して、3人の講師がそれぞれの持ち味で、基礎、読み合わせ、立ち稽古を担当する3部立てで講習を行った。
参加者からは一定の評価を頂いたが、運営側としては3時間という短い時間に多くの事を盛り込みすぎたせいで、意図が充分伝えられず、消化不良な状態だった。
そこで今回は、同じ内容で、講師はこの作品で今年の全国大会に参加する安藤俊弥さんに絞り、時間も増やして一日講習とする事にした。いわば、3月のリベンジ企画である。
テーマは、「自分たちで作り上げる演劇」。なかなか顧問の先生が練習に顔を出せない現状の中で、自分たちで練習を進めてゆくためのヒントになる内容を目指した。
【2】 コミュニケーション
講習会を重ねるうちに見えてきたのは、演劇部に参加する生徒の変化である。明るくて押し出しが良く、目立つ事が好きといった私達がイメージする以前の演劇部員は、もちろん今もいないわけではないが、それよりもどちらかというと人見知りで、普段は口数も少ないような生徒が増えてきているように感じる。
もちろん、個人的な事もあるが、演劇部だけに限らず、中学生を見ていると非常に狭い人間関係の中で生活していて、多くの人とコミュニケーションを取ったり、共同で作業する事が、極端に減っているような気がする。
また、今回は86名の生徒の参加があったが、参加部数は15にのぼる。つまり、平均して一部6人弱である。演劇部自体が、非常に少ない人数の中で活動しているのである。
しかし、だからこそ、逆に演劇によるコミュニケーション能力の向上や、このような大勢が集まるワークショップは、意義と可能性があるといえる。
講習予定は、午前中が10:00〜12:00で、30分ほどコミュニケーションを兼ねた基礎練習を行い、その後、1時間半読み合わせ練習。
午後は13:00〜16:00まで、立ち稽古の練習という形で考えていた。
しかし、出だしは思った以上に重かった。まず、会場に入ってくる時に「おはようございます。」と声をかけて入ってくる生徒がほとんどいない。開始時間になって、集まるように指示をしても、半数以上が座り込んだまま動こうとしない。さらに、私が説明を始めても下を向いて顔を上げようとしない生徒があちこちにいる。
一瞬迷ったが、今日は講師ではない。憎まれ役でも構わない。
「顔を上げなさい!」
それから3つのことを話(説教?)した。
* 普段は人見知りでも、講習会に参加した瞬間から、自分から積極的に働きかけるように努力する事。
* なるべく自分以外の学校の生徒と組んで練習する事。一人でも多くの人とコミュニケーションする事。
* 時間を無駄にしないように、指示で素早く動く事。
その後、コの字型に並び直して各学校ごとに代表に挨拶して貰い、講師に譲った。
安藤さんの第1声。
「午前中は、とにかく、みんなと仲良くなって下さい。」
特に、話し合ったわけではないが、思う事は同じだったようだ。
1.だるまさんが転んだ
初めは、全体を2つに分けて「だるまさんが転んだ」をやった。止まった時にただ、止まるのではなく、色々なポーズを取るようにする。これは、以前、私の部でも部員達が好んでやったゲーム。全体の空気が一気に盛り上がった。
2.グループ作り
好きな季節、自分の血液型などで、自分たちで仲間を探させてグループを作る。グループが出来たら、そこから整列ゲームに移る。どれも、自分から声を出して働きかけなければならないゲームだ。
3.円を作る
次に全員で大きな輪を作り、その輪を、2つ、4つ、8つと次々に分けていく。これで、86人の参加者が約10人ずつに分かれた。これは、この後の読み合わせや立ち稽古の基本単位になる。(キャスト5人の2グループ分)なかなか、見事だった。
4.ナンバーコール
出来上がった8つのグループごとにナンバーコールというワークを行う。これは、約束事なしに、好きな順に1から番号をいっていく。二人以上が同時に発声したらやり直しである。その後、1人、2人、3人、4人と一人ずつ人数を増やしながら同時に動くというバリエーションも行った。(きれいな)円作りもナンバーコールも、どちらも、声を出さない約束なので、お互いを観察し、協力しなければならない。
どれも、目的がハッキリしていて、今日の参加者にふさわしい選択だったように思う。また、結局、予定を大幅に超えて、コミュニケーションのワークを1時間半以上行ったが、グループ作りでかなり動き出しが鈍かったので、ここに時間をかける必要性を感じたようだ。
【3】 読み合わせ
午前中の最後、40分ほどかけて、読み合わせを行った。今日の練習で使用するのは、この物語のポイントとなる3場の文化祭で発表する前後の気持ちのすれ違いと仲違いのシーン。始めに、このシーンに至る1,2場をダイジェストで紹介して脚本の流れを理解させた上で、各グループで輪を作って取り組ませた。
最初は、あまり感情を込めず、棒読みで脚本を理解する事に集中するように指示があった。私の部では、今まで最初から気持ちを込めて読み合わせをしていたので、最初に冷静に読み合わせをする方法論は、表現の多様性を引き出す意味で面白い試みだと思った。
2回目以降は、各グループ10人以上いるので、それぞれのキャストを2人(以上)ずつ決め、A,Bチームに分けて交代で読み合わせをした。読む時は椅子の後ろに立つように指示していた。
途中で、「Hellow,myfriend」を上演した中野区立中央中の部員がラストの5場を朗読した。読みながら、キャストが感情がこみ上げて涙ぐむ熱演だった。そして、 「このラストシーンを生かすために、3場の仲違いのシーンをしっかり作る事が大切だ。」と説明した。
私が、3月に読み合わせを担当した時には、3場につながる1,2場を説明する事は丁寧にやったが、3場の段階でまだ起こっていない後半は簡単にしか触れなかった。脚本全体の理解とそれに基づく各場面の構成という演出の部分で、大変勉強になった。
午前中は、予定より30分押して12:30に終了した。ここで、安藤さんから指示が出た。
「お弁当は、今のグループで食べて下さい。」
この指示をみなさんはどう思われるだろうか。「お昼ぐらい、自由にしても。」と言う意見も当然あるだろうし、逆に、自分たちで他の学校と自由に新しいグループを作って食事をするチャンスを奪ってしまったかも知れない。しかし、現場で見ていたものとして、少なくとも、この日のこの参加者にはプラスだったように思う。
【4】 立ち稽古
午後の講習は、30分ずらして13:30開始。始めに松任谷由実の「Hello, my friend」をみんなで聴く。私達には耳慣れた曲だが、参加者の中には始めて聴く生徒も沢山いた。きっとイメージが広がっただろう。
いよいよ、立ち稽古に入る。各グループに1.5mほどの柱を渡して、アクティングエリアのしきりにさせた。8グループが体育館全体に広がっているので、多少手狭だが、上下(かみしも)以外にドンライン(緞帳の上がり下がりする位置)も決めるように指示した後、立ち稽古の約束を決めた。
「絶対に相手チームの演技を否定しない事。Aチームの良いところはBチームも取り入れて、Aチームの良くないと思う演技は、言葉でダメ出ししないで、自分たちが違う演技をして見せる事。」
「とにかく、あまり考え込まないで、うまくいかないと思ったら、何でもいいから違う演技をしてみる事。とにかく、変えない事には良くなっていかない。」
勇気を持って失敗をおそれず挑戦すること。確かにシュートは打たなきゃ入らない。
その後、安藤さんは各グループをまわり、精力的に指導していた。しかし、具体的に演技の仕方を指定する事はない。その場面の状況や、登場人物の気持ちを説明しながら、自分で考えて色々やってみるように導いていた。
しかし、これは普段ダメ出しをし合っている参加者やまわりで見学している顧問には非常に難しく、あちこちで否定的な発言や、なかなか良くならない演技に、つい、具体的なアドバイスをしてしまう顧問がいて、途中で練習を止め、、最初の指示を繰り返さなければならなかった。
最後に、8グループ16チームの中から、3チーム抜き出して、舞台上で演技をさせて評価をし、まとめの話をして講習は終了した。まとめの話の中で、「先生にいわれて、良く意味もわからず、ただ、その通り演技しているだけでは演劇をやる意味がない。自分達で考えて、自分達で工夫してやる事が大切だ。」と強調していた。
【5】 意見交換
講習の後、1時間半ほど、顧問だけの意見交換の時間を取った。生徒を引率して帰らなければならない顧問が多く、6名だけの参加であったが、各部の様子や基礎練習のやり方や、安藤さんが行っている普段の練習の紹介、人形立てや布張りのパネルなどの基本的な装置の作り方等、多岐にわたる話題で盛り上がり、大変参考になった。
【6】 まとめ
講習会のアンケートは、参加者86名中73人から回答があった。
わかりやすく点数化すると(※)
*面白かったかは、3点満点で2.8
*役に立ったかは、3点満点で2.7
学年別に見ると、
*1年生 面:2.8 役:2.8
*2年生 面:2.7 役:2.6
*1年生 面:2.8 役:2.9
で、各学年ほぼ同じだが、3年生の評価が若干高く、3年生にも納得して貰える内容という点で、成果があったように思う。
また、自由記述欄には、「他の学校の人と仲良くなった。」「交流できて良かった。」という意見が27名あった。「昼食は友達と食べたい。」が2名、「グループは自分の学校で組みたい。」が1名いたが、全体として、コミュニケーションの機会としても有益だったようだ。
何より、開会と比べて閉会の時には、みんな顔を上げて話を聞いてくれていたし、朝とうって変わって、帰りには「さようなら!」「ありがとうございました!」と満面の笑顔で挨拶してくれる参加者が、実感として今回の講習会の意義を感じさせてくれた。
今後も、さらに工夫してより良い講習会を提供していきたいと思います。これからもよろしくお願いします。ご意見等あれば、是非、お知らせ下さい。
(※) アンケートでは、面白かったか、役に立ったかを、それぞれ以下の3つから選択する形式で回答を求めました。
*面白かった・少し面白かった・あまり面白くなかった
*役に立った・少し役に立った・あまり役に立たなかった
これらを、左から3点、2点、1点として点数化して平均を求めました。
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